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UFOは存在するかどうかを考える好奇心

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世界の仕組みを知る面白さを伝えるために、一つ質問を出しましょう。テーマは「UFOは存在するかどうか」です。正確に言えば、UFOとは「未確認飛行物体」のことですが、ここではETC(地球外文明)が飛行物体に乗って、ほかの惑星から来ているかどうかという問題に絞りましょう。さて、どう思いますか?

 

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これだけ宇宙は広大なのだから、どこかの惑星に地球外生命がいたとしても、不思議ではないし、UFOは存在するかもしれないと思ってしまいます。

じゃあ地球上の生命はどのようにして誕生したのでしょうか?

 

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水があって空気があって、あるときそこに偶然が作用して物質が生命体を成し、自らを複製させ始めたのが生命の誕生ではないでしょうか。

その偶然は、今はもう起こらないのでしょうか。生命誕生は約三九億年前と言われています。

命は海から偶然生まれたのだとする説も確かにあります。だけど、偶然、生命が誕生したのだとしたら、もう一度偶然から生命が生まれてもおかしくないはずです。でも、現実にはそういうことは起きていない。少なくとも起きたという痕跡は見つかっていません。

実験室の中でも生命は作り出されていません。一九五三年、スタンリー・ミラーは、水、メタン、アンモニアの混合物が入った容器に放電するという実験を行いました。その結果、容器の中には有機化合物が生じた。

つまり、地球が冷えた後に、アミノ酸ができる可能性は高い。しかし、この点を指して、実験室の中で生命を作り出すことに成功したとはまったく言えません。アミノ酸が存在することと、それが意味のある配列をして生命のもとになるたんぱく質となることは、別次元の問題です。
こんなに難しいことは受験では使いませんし、オンライン家庭教師として子供にこんなことを教えることはありません。

しかしUFOが存在するかどうかという議論は、子どもたちの間で交わされるようなたあいないやりとりです。テレビ番組なんかだとUFOを撮ったとかいう写真が引っ張り出されてきて、その真偽を云々するような不毛な論争に流されてしまいがちでもあります。

しかし、このテーマを真剣に考えようとすれば、地球外の天体に知的生命体がいるかどうか、生命とは何か、地球ではなぜ生命が誕生したのかという具合に問いが連続していきます。そして多くの人がはまりがちな思考の落とし穴が見えてくるのです。

原始の地球の海、今よりもっと濃度が高かった海を有機分子の濃縮スープととらえ、これがかくはんされるうちにアミノ酸が仲良く手をつないで、生命の素であるたんぱく質が合成され、それらはやがて自己複製を始めた――。これは旧ソ連の生化学者アレクサンドル・オパーリンが唱えた「コアセルベート説」です。たいていの人は生命の起源を考える際、頭の中でこのイメージを思い浮かべます。そうすると生命誕生は偶然の産物ということになります。

しかし考えてみてほしいのです。生命の素になるたんぱく質は、二〇種類のアミノ酸が数百個並んでできています。きりのいい数字で一〇〇個としても、生命としての意味をもつたんぱく質ができる確率は、二〇の一〇〇乗分の一です。分母の二〇の一〇〇乗がどのくらい大きな数字かわかるでしょうか。全宇宙に存在する水素原子が一〇の八〇乗個だと言われていますが、それよりもはるかに大きい。つまり確率としては、全宇宙の範囲で、たった一個の水素原子が当たりクジであるクジを数回続けて引き、その全部に当たるぐらい低いのです。

この確率の低さは、サルにタイプライターを叩かせてシェークスピアの一節とまったく同じ文章ができるかという可能性とよく比較されます。何兆匹ものサルが、何兆年間タイプライターを打ち続けても不可能と言い切れる確率。生命誕生はこれぐらい低い確率で起きたのです。

こんなことが偶然起きるとは考えられません。偶然が否定されると、すぐに「神」を持ち出そうとする人もいますが、それでは議論があまりにも幼稚になります。

じゃあ、どんなメカニズムで生命が誕生したのかと訊かれると、それはなかなか難しい。答えることはできません。ただし、UFOはいるのかと訪ねられて、「空を見上げたら、あんなに星がたくさんあるのだから、たぶんどこかにきっと宇宙人がいるだろう」という論理をたどるべきではないと言うことはできます。

 

前回の記事はコチラ→【「理解力」「想像力」「表現力」を学ぶ

 

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